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■昔の自慢話は寂しくて自分をアピールしたがっている新たに兄弟ができると、どうしても親の世話が下の子の方に向きがちです。 それは上の子の方がしっかりしているから当然のことなのですが、まだまだ自分を一番見てほしい年頃の子どもにとっては耐え難いことです。 甘えたい盛りなのに、いつも下の子の世話ばかりしていて親がとられたような気持ちになります。 そのためどうにかして自分の方を向いてもらうために、赤ちゃん返りをすることがあります。 昔の自分に戻って泣いたり騒いだりすれば、自分の方に目が向くと考えるからです。 赤ちゃん返りは、特に子どもができたばかりの下の子の世話に手一杯の時期に起こることが多く、悩まされる親も多いものです。 しかし子どもは昔の自分が懐かしく、今の状況が寂しいだけなので絶対に叱ってはいけません。 赤ちゃん返りは何も子どもだけに起こることではありません。 大人になってからの行動の中にも、実は赤ちゃん返りが隠れていたりするので驚きです。 大人になればなるほど、昔の英雄伝説だったり褒め称えられたりした出来事をいつまでも引きずってしまうものですが、それは、だんだんと年をとり、若い人たちや世間から遅れをとっているような気になるのが原因です。 昔はこんなに素晴らしかったのだと、昔の自分を自分で褒めて今の自分を慰めているのです。心理学では、「昔はよかった」という感情に囚われる心理を「退行」といいます。 昔の自分に戻りたいという気持ちは、赤ちゃん返りに見られる寂しさと一緒で何とか周りに自分の存在をアピールしようとしているのです。 心の中で思う分には結構ですが、周りの人に自慢し過ぎるとただの年寄の自慢話になってしまうので気を付けなければいけません。 何度も何度も英雄話をする人は余程現状が寂しいのだと察してあげましょう。 |
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