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■「ステレオタイプ」に気をとられ過ぎない★ 人のタイプ分けは有用? 「最近の若者はゆとり世代だからやる気がない」「バブル世代は金遣いが荒くて困る」などと、世代の違う相手を揶揄するような言葉を耳にすることはありませんか?このような典型的なイメージのことを「ステレオタイプ」といいます。 見た目の雰囲気や世代、性別や所属などによって大まかに人を分けるのは便利な考え方ですが、それに頼ると大きな失敗をしてしまうかもしれません。 アドラーは人をタイプ分けする考え方に対して、個人の類似性について考える手段だと考えましたが、「似た者の場合でも、ほかならぬこの人は違うということを忘れてはいけない」と語っています。 確かに、思考や行動が似た傾向の人たちというものは存在しますが、決してそれにとらわれてはいけません。相手のことを決めつけて接すると、本質を見失ってしまいます。 ★ 間違った印象をなくそう 特に苦手な相手に対しては、ステレオタイプにとらわれて、接し方が雑になってしまいがちです。「あの人はこういうタイプだから、こういう接し方をしよう」という考え方は、論理的で最適な対処法ではありません。相手の本質から目をつけて、その場しのぎの安易な手段をとっているだけです。 どんな人にも、似たような部分もあれば、まったく異なる部分もあります。どこか一部がステレオタイプに当てはまったからといって、ほかの部分も当てはまるとは限らないのです。 たくさんの個性が入り混じって、ひとりの人を構築しているのですから、そのひとつひとつの個性に目を向けなければ、相手の気持ちに沿った接し方はできないのです。 たとえ同じ環境で育った家族でも、性格はそれぞれバラバラです。それを同じ家族だからとひとつのタイプに当てはめようとするのは、無理のある考え方なのです。 したがって相手に対して勝手なイメージを前提にした接し方をするのはやめましょう。相手に対して凝り固まったイメージを持っている人は、一度その先入観を捨てて、当ての特徴をよく観察してください。 一度持ってしまったイメージを覆すのは、決して難しいことではありません。ステレオタイプにとらわれた考え方を捨てて、相手を独立した個人だと考えることができれば、苦手意識も薄れるのではないでしょうか。
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