|
■感情的になっても、相手に本意は伝わらない★ 怒りは相手に本心を伝えられない 相手に自分の気持ちを真っ直ぐに伝えるためには、どうすればいいのでしょうか。怒ったり泣いたりして、自分のありのままの感情をぶつけたみたところで、それは愚策でしかありません。それなのに冷静さを失うと、こういう手段に出てしまうことがあるのです。 思い切り怒ったり、泣いたりという行為は、自分の感情をさらけ出してはいるものの、しかし、それでは相手にあなたの思いは伝わりません。相手に伝わることは「この人は怒っているな」「泣いているんだな」という、表面的な情報でしかありません。 アドラー心理学では、感情には目的があり、それを自分でコントロールできると考えています。怒りはあくまでも「二次感情」であり、元となっているのは別の「一次感情」なのです。 怒りで我を忘れてしまい、相手との関係に取り返しがつかないほどの亀裂を生じさせてしまう前に、自分が本当に伝えたいことを伝えることが大切なのです。 ★ 怒りの感情を使う目的は? 怒りの感情が湧いてきたときはそれを爆発させる前に、その感情を使いたい目的を探ってみましょう。 たとえば、恋人に対して、「自分を構ってくれない!ないがしろにされている!」と憤っている人は、「自分を構ってほしい!」という感情を表すために、怒っているわけです。 相手に寂しさを伝えるという目的に対して必要な行動は、怒りで感情的に伝えることではなく、寂しさという感情を伝えることではないでしょうか。そいして、恋人と一緒にこれまで以上に密な時間を過ごして、ふたりの絆を修復することがなおさら目的になるはずです。 感情を爆発させるのは決して建設的な行動とはいえません。建設的な行動を取るためには、冷静に自分の感情の目的を探ることです。 仲には「怒りや涙は武器になる」と思っている人もいるかもしれません。確かに、激しく怒ったり泣いたりしている相手に対して面食らってしまい、その場は従うという人もいます。しかしこれでは、あなたと恋人の間に横たわった問題を根本的に解決できてはいません。ただ、解決を先延ばしにしているだけです。 同じことが二度、三度と続けば、相手はうんざりして、あなたから離れてしまうだけでしょう。感情を爆発させても、何ひとつ得はしないのです。
|
|
||||
Copyright(c)2015 大人のための心理学 all rights reserved. |