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■人は皆、目的があって行動している★ 行動や感情には目的がある アドラー心理学では、「あらゆる行動や感情には、目的がある」と考えます。これを「目的論」といいます。誰かとコミュニケーションを取るときの態度にも、何か理由があるはずです。そして、その理由は、決して単純なものではないでしょう。 たとえば、あなたが人と会話していて、「なんだかトゲトゲしい態度だな」とかんじた場合、それを単純に「自分のことを嫌っているから」と考えるのは間違いかもしれないのです。 なぜなら、相手があなたとは無関係な別なことに対して、不安を抱いているのが原因かもしれないからです。であるなら、相手の不安が解消すれば、あなたと相手はよりよい関係を築ける可能性があります。それなのに、あなたが勝手に勘違いして、相手と距離を取ろうとするのは、とても残念なことだと思いませんか? ★ 未来を見据えて、目的を持とう ところで、心理学には目的論とはまったく異なる「原因論」という考え方があります。原因論では、何か問題が起こった場合に、その原因となった出来事が過去にあると考え、それを探っていきます。 たとえば、人とのコミュニケーションが苦手で、人間関係がつらいという場合、その原因が過去にないかを考えます。「子どもの頃から遠慮がちな性格で、交友関係が狭かったから」「遠慮がちな理由は、小さい頃、親からの干渉が少なくて、他人にどこまで甘えていいかわからないから」というように、原因を探り、それを取り除こうとするのです。 この方法は合理的に思えますが、問題点をあります。原因を見つけ出すとなると、忘れたい嫌な思い出を掘り起こすことになるかもしれません。また、原因を解消できなかった場合、余計に傷つく結果になる恐れがあります。 これに対し、目的論は「人には目的があり、それを果たすために行動している」という考え方です。 目的論に基づいて問題を解決する場合、過去の原因は重視しません。未来を見据え、目的に向かって進む方法を探すのです。 先ほどの例のようにコミュニケーションが苦手で、人間関係がつらいというときは、まず「自分には目的があって、コミュニケーションを苦手としている」と考えます。その上で、自分が本当はどうしたいのか、どのように解決するかを考えてくのです。
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