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■周りの人は全員が、あなたの仲間★ あなたには「敵」はいない アドラーの考える共同体とは、自分のごく親しい相手だけではありません。あらゆる人を含む社会全体を指しているのです。あなたが「嫌な人だなあ」と思っている相手でも、あなたの「敵」ではなく、「共同体の仲間」だと考えて接してみてください。 どんな相手でも仲間だと考えるのは、現実に難しいところもあるでしょう。しかしそれれでも、アドラーはこの考え方を「道を示す目標、理想」として、人類が目指すべきものだと考えました。 人は人との関わり合いがなければ、生きていけません。アドラーは「他者信頼」と「他社貢献」の大切さを教えています。他者信頼とは、無条件に相手を信じることです。他人を信頼できない人は、「もしも裏切られたら?」という不安を持ってしまうため、他人と深い信頼関係を結ぶことはできません。 もしも、他人を信頼せずして、他人から信頼されようというのであれば、それは自分の都合だけを考えているということ。到底、信頼されることはないでしょう。ありのままの自分を認める「自己受容」ができていれば、たとえ相手に裏切られたとしても、それは「他人の課題」と考えることができるはずです。 対人関係はまず、他人を信じることから始めるべきです。あなたから相手ヘの接し方を帰れば、相手からあなたへの接し方も変わるかもしれないのですから。 ★ 誰かを助けることで、自分もうまくいく 他人を信じることができたら、次は共同体に対して貢献していきましょう。他者貢献とは、仲間に対して協力し、プラスの働きかけをしていくということです。 「共同体感覚」を持ち、自分が誰かの役に立つことで、自分と仲間たちをプラスの状態に持っていけるのです。そして「誰かの役に立っている」と思えたときこそ自分の価値を実感でき、それがまた自己受容へと繋がっていくのです。ただ、自分の価値を実感することと、自己満足は異なります。また自分を犠牲にしてまで他人に貢献するということでもありません。 ところで、自己受容が十分でない人は、「自分には何の実力もないのだから、貢献なんてできない」などと考えてしまう恐れがあります。しかし、この考えは大きな間違いです。 たとえひとりでは力を発揮できない人も、集団の中であれば、実力を発揮できるのです。人にはそれぞれ個性があります。自分の不得意な分野を他人に任せて、自分が得意な分野で頑張れば、実力をフルに活かせるでしょう。お互いの不足している部分を補うことは、仲間がいなければできません。 それに、「仲間がいる」という事実だけで、勇気づけられるものです。ただあなたが存在するだけでも、勇気づけられる誰かがいるということを忘れないでください。
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