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■人にはいろいろな側面がある★ 自分自身のさまざまな要素を見つけよう 人間は、感情と理性、意識と無意識、本能などさまざまな要素をバランスよく使って、すべてを決定しています。 これらの要素は、一見すると相反しているように見えますが、すべてがひとつに繋がって、自分自信を構成しているのです。この考え方を「全体論」といいます。 「理性では駄目だとわかっていることが、どうしても我慢できない」というようなケースは、人間の心の複雑さを表しています。しかし「駄目なことを理解している自分」も「それを我慢できない自分」も、どちらも大切な自分自身だということを忘れてはいけません。 どんな面も、自分の中の一部分だと理解することが、人間関係を楽にする上で重要なのです。 ★ ネガティブな面を認めてコントロールする 全体論では、個人を細かく切り分けることができない最小の単位だと考えます。たとえ、自分の中に矛盾しているような面があったとしても個人は個人。ひとつのものなのです。 ドラマや漫画などの葛藤している場面では、「自分の中で天使と悪魔がせめぎ合っている」というイメージを使いますが、それはどちらも自分自身にほかなりません。たとえば、「いつもは冷静なのに、怒りに任せて、つい酷いことを言ってしまった」など言い訳をすることがあります。しかし、それはまるで自分の本意ではなかったかのように見せかけているだけの話です。 アドラー心理学では「ついやってしまった」という状況を、「無意識にやってしまった」ことだとは考えません。どんな行動も目的があってやったことです。 相手に自分の気持ちを伝えるため、あるいは相手に感情をぶつけて気持ちを発散させるために、自分から怒りの感情を使ったというわけです。 自分のネガティブな面を認めてあげましょう。そうすれば、「自分には弱い面があるからいきなり知らない人と打ち解けるのは難しい。だからゆっくり慣れていこう」「相手を妬んで、酷いことを言ってしまいそう。こんなときは、冷静に慣れるまで距離を置こう」というふうに、自分を的確にコントロールできるようになるはずです。 人は自分の中にある要素の全体を使って、目的を果たしていくのです。
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