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■「限定」という言葉に弱い「希少性の法則」@ 希少性の法則 「限定」という言葉を使えば、人を誘導しやすくなり、「希少性があるもの」と相手に信じ込ませてしまうことです。 ★ 数が少ないものには価値があると思い込んでしまう 多くの人が、どこでも入手できるものは価値が低いと感じ、数が少ないものほど価値が高いと考えがちです。これが「希少性の法則」で、いわゆる「限定商法」もこの法則を応用した売り方なのです。 「宿泊客が1日5組限定の宿」や「1日10食限定の特別メニュー」のように希少価値を前面に出されると、そこに何らかの特別な価値を感じてしまい、「特別なサービスが受けられるに違いない」とか、「珍しい食材を使っているはずだ」と勝手に判断して飛びついてしまうことがあります。 人は「限定」という言葉にとても弱く、冷静に考えればそれほど欲しいものでもないのに、「期間限定」と言われると、「今しか買えない」と考えてつい買いたくなるのです。また、「この情報はごく限られた人しか知らない」という触れ込みで、大して価値があるとも思えない怪しい情報を売りつける「情報商材」商法もこの応用です。 たとえば、プレゼントをする場合は、たとえ値段が高くなくても「希少性のあるもの」のほうが効果的だし、ポイントが上がるでしょう。また、「このことは誰も知らないんだ」などと希少性を匂わせた言葉で、相手の気を惹くこともできます。それほど大したものや情報でなくても、希少性のあるものだと相手に信じ込ませることができれば、あなたの存在を大いにアピールすることが可能になるでしょう。 A クールな切り返しで「希少性の法則」に勝つ! その希少性が自分にメリットがあるのか、しっかり判断することが大切で、切迫感をあおられたら、いったんその場を離れてクールダウンしよう。 ★ その希少性が自分にメリットがあるかは疑わしい 「限定品」と聞くだけで「今しか買えない」と思い込んで、つい不要なものまで買ってしまうという心理が「希少性の法則」です。珍しいものであることや、期間限定でしか販売されないということが、「今買わないとなくなってしまう」と買う側に切迫感をあおるので、効果を発揮する訳です。 しかし、希少性にごまかされると、実際より高い価値があるように錯覚しがちになり、そもそも本当に欲しいものかどうか疑わしい場合も多々あるはずです。つまり、その商品やサービスの希少性が「必ずしも自分にメリットがあるとは限らない」ことにも目を向けるべきでしょう。 希少性の法則が厄介なのは、「時間がない。今でないと買えない」などと切迫感をあおられて判断力が鈍ってしまうケースが多いことです。 たとえば、「対話式説得法」を活用した、以下のような切り返しを試してみるのも有効です。 A「これ、今買わないとダメかな?」 B「そうですね。限定なので今日中になくなりそうですよ」 A「そうなんだ。実は今財布を忘れちゃって、現金もカードもないんだ。諦めるしかない?」 B「いやいや、セールは明後日まで続きますから、ぜひまた・・・」 A「あれ、今日中になくなるって言ってなかった?」。 しかし、こんな切り返しもせずとも、いったんその場を離れて冷静に考え直すことで、希少性の法則の呪縛から逃れられる可能性は大きいはずです。
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