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■曖昧な表現で問いかけると話は伝わらない言いたいことはあるのに、なかなか相手に分かってもらえないということがありませんか。 人と話をする上で大切なことは、相手に伝わりやすく、相手が必要とする情報を的確に提供することです。 自由奔放に話しているだけでは、相手に要点が伝わらないので、何を言いたいのか相手には理解できないのです。 たとえば、いきなり友人に「明日はどうするの?」と聞かれたら、なんと答えていいかわからず、言葉に詰まってしまいます。こんな曖昧な表現で問いかけるのは、会話のルール違反と言ってもいいでしょう。 「お前の話はいつも飛躍しすぎていて、何を言っているのか分からんよ、早く要点だけでも言ってくれないか」ということになるのです。 自分では的確に伝えているつもりなのに、こんな評価を受ける人がいます。 たとえどんなに仕事ができたとしても、伝える力が不足していたら、疎まれて当然でしょう。 なんにでもルールがあるように会話にもルールがあります。 イギリスの哲学者・言語学者であるポール・グライスが示したもので、「協調の原理」と呼ばれ、コミュニケーションの鉄則ともされているようです。 協調の原理は次の四つの公理から成り立っています。 @ 量の原理 会話のやり取りでは、必要な情報を提供しなければならない。ただし、必要以上に多くの情報を出さないこと。「昨日のプレゼンはどうだった?」と聞かれて「午前10時に先方の会社へ到着しまして・・・」という情報を提供する必要はない。 A 質の公理 嘘は言わず、じゅうぶんな根拠がないことも口にしないこと。プレゼンが大失敗だったにもかかわらず、「バッチリです」というのは禁物。 B 関連性の公理 関連することだけを話し、関連のないことは口にしないこと。プレゼンの結果を聞かれている場合、担当者の容姿を伝える必要はない。 C 作法の公理 不明瞭な表現や曖昧さを避け、短く整然と述べること。 どれも当たり前のことばかりですが、「言いたいことが伝わらない」という悩みを持っている人は、いずれかが不足していることが考えられます。 |
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