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■病院でクラシックやジャズの音楽が流れる謎病院などでは患者さんの気持ちを落ち着かせるためにクラシック音楽が流れていたりしませんか。 音楽によって心が癒されたり、楽しい気持ちにさせてくれたりすることがあるのです。 昔好きだったはずの音楽があまりそうではなくなったり、前は嫌いだったタイプのものが急に好きになったりすることもあります。 音楽の好みが変わったと感じたことがある人は多いと思います。 音楽は人の心の中に溶け込みやすく、今の自分に合った曲を自然に選んで聴いていることが多いはずです。 そしてその音楽を聴くことによって失恋を癒したり、悲しみから立ち直ったりすることもあります。 それは逆に言うと、音楽によって人の心に影響を及ぼすことができるということでもあります。 たとえばアニメやドラマを思い出してください。 悲しい時は悲しそうな曲が、怖い時は恐怖心を煽るような曲が流れていると思います。 登場人物たちの心情に合わせた音楽が流れているはずです。 もしこれが全然心情とマッチしない曲だったら、楽しさも半減してしまいます。 観ている人をテレビの中に引き込ませて、登場人物たちと同調させるには音楽が重要な役割を占めているのです。 全く音楽が流れなければ、番組の魅力は半減してしまうと思います。 戦いの場面で勝ちそうになると、爽快な音楽が流れ始め、それによって私たちは今までの緊張から爽快感へと移行していきます。 知らず知らずの内に、私たちの心情は音楽によって多少なりともコントロールされていると言えます。 アメリカの心理学者アルトシュトラーは、心理状態に音楽が及ぼす効果について、「緊張した神経を鎮めたい場合、まずは神経をさらに緊張させ、それからだんだんに沈静化させたほうが効果はより高くなる」と報告しています。 これは「同質の原理」という方法です。 気分が高揚してハイテンションで楽しんでいるときに、テンポの遅い曲やもの悲しい曲を聴くと調子が狂ってしまうのと同じように、気持ちが落ちこんでいる時に、テンポが速い曲や元気のいい曲を聴くとかえってストレスになることもあります。 そこで、自分の気持ちと同質の音楽を聴いて、気持ちを代弁してもらうことが音楽療法では大切だということで、これを、「同質の原理」(アルトシューラーの理論)と呼ばれています。 失恋した時に中島みゆきの曲を聞く人が多いのは、まさに同質の原理を実践していることになるようです。 |
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