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■私がではなく、私たちはの方が責任は小さくなる人は大人数で同じことをしていると、自分ひとりの責任感は少ないと感じます。 ひとりで行動する時は、他に同じことをしている人がいないので何か問題が起きると自分ひとりの責任になってしまいます。 そのため自然と責任感が強くなります。 この心理状態はマイナスのことに働くことが多く、皆やっているから大丈夫だろうと悪いことをしてしまうことがあります。 たとえ見つかって誰かに叱られたとしても、皆がやっているため自分一人に責任はないと感じてしまいます。 「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」という心理ですが、信号無視は危険な行為ですから、断じて奨励はできません。。 とくにスピード違反などで検挙されると、ドライバーは必ずと言っていいほど「オレは前の車の後を着いて走っていたのに、何で自分だけを捕まえるんだ、みんなスピード違反をしてるじゃないか」という不満を口にするそうです。 たしかに飲酒運転や事故で検挙されたときに比べて納得がいかない気がしますね。 これは、たしかに「みんなやっている」という点に理由があります。 法定速度を守って走っている人は滅多にいません。 このように、複数の人でひとつの責任を負おうとすると、ひとりで負うときよりも責任を軽く感じる心理があるのです。 それが「拡散効果」と呼ばれるものです。 つまり、みんなスピードを出しすぎているのだから、自分の責任はもっと軽いはずだと考えてしまうのです。 赤信号を無視してみんなで渡るときにも、この拡散効果が見られます。 これはいろいろなシーンで応用できる心理です。 相手を説得する場合にも、「私はこのやり方が正しいと思っている」ではなく、「われわれは、みんなこのやり方が正しいと思っている」と話すのです。すると、相手に「これはみんなの総意なんだ」という印象を与えることができ、説得できる可能性が高まるでしょう。 |
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