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■権威のある人には弱い「権威の法則」と対策@ 権威の法則 「虎の威を借る狐」のように、権威ある人の威光を利用するもので、メディアで活躍する著名人などの名前を都合よく使うことです。 ★ 大学教授などの専門家の意見をつい鵜呑みにする 総じて人は権威のある人物には弱いため、昔から大学教授や科学者などの専門家の権威を利用した犯罪は多いのです。 実在する宮家の名をかたるとか、○○家の末裔などと称して大金を巻き上げる結婚詐欺事件などもありました。怪しげな健康食品や「幸運を呼ぶペンダント」のような霊感商法的商品では、顔写真とともに外国の博士のコメントが紹介されていると、それらしく見えてしまいます。これも権威の法則を利用した騙しのテクニックです。 古くは1980年代に大型悪徳商法として大問題になった「豊田商事事件」という詐欺私権がありました。金地金の購入契約をさせ、現物は渡さずに証券だけを渡す「ペーパー商法」を利用した詐欺でしたが、この事件では大物歌手や著名な芸能人が広告塔に利用されたのです。 芸能人たちもある意味では「被害者」なのですが、購入者たちは有名人たちの広告を見せられてすっかり信用してしまったのでしょう。そもそも「豊田商事」という社名も、まったく関係のないトヨタ自動車を連想させるために作為的につけたものであり、この事件で権威の法則が使われていることは明白です。 ★ 振り込め詐欺では弁護士などを名乗る手口が横行 近年の振り込め詐欺でも、弁護士や警察官を名乗る手口が横行しました。たとえば、警察官を名乗る男が「振り込め詐欺犯を逮捕したところ、あたの名がかかれた名簿を持っていた。キャッシュカードが偽造された恐れがある」などと説明。「自宅に金融庁の職員が向かうので、カードを調べさせて欲しい」などと偽ってキャッシャカードを騙し取る手口でした。警察や金融庁など、権威的な肩書きをちらつかせて相手を信用させたのです。 ★ 社会的地位が高いほど権威ある人になびきやすい この「権威の法則」を利用して他人を操るには、比較的高学歴な人やある程度社会的な地位がある人ほど、効果的です。他人の上に立ちたがる人ほど、「権威」や「社会的信用」を重視しがちなので、ネットの口コミなどは信用しない反面、メディアで著名人や大学教授などの専門家が同じことを語っていたら、すぐに信じてしまうのです。 権威の法則は、いわば「虎の威を借る狐」的な手法によって、自分の意見に相手をなびかせるのに有効です。「以前に、○○社長がインタビューで言っていたことですが・・・」とか、「政治家の△△もやってるんだけど・・・」とか、「テレビで××先生も言っていたよ」などという前フリが効果的でしょう。 逆に権威の法則を知っておくことで、「有名人や権威のある人」の威光を借りて意見を言ってくるような人の口車には乗らないという処世術も自然と身につくはずです。ブラック心理術の使い手になれば、相手の手口がわかっているため、そう簡単には他人に操れないようになるでしょう。 A 知らないフリ作戦で「権威の法則」に勝つ! 専門用語を乱発されてもしつこく説明させ、根負けさせるか、著名人をダシにしてきたら、「知らないフリ作戦」で切り返す。 ★ 理解しにくい専門用語で煙に巻こうとするのが手口 人をだまそうという悪意を持つ人は、「権威の法則」を多用します。結婚詐欺師などが旧皇族や財閥の名をかたるとか、著名人と知り合いであるかのようにウソをつくなど、さも自分が特別な存在であるかのように思い込ませるのも、権威の法則の悪用といえます。 権威の法則の使い手は、とにかく、たたみかけるように勢いよくしゃべり、コロコロと話題を変えたり、理解しにくい専門用語を使ったりして、こちらを煙に巻こうとします。専門用語を多用するのも、自分を専門的な知識がある一角の人物と思い込ませる手口であり、これも権威の法則のバリエーションです。 対策としては、何を言われても知ったかぶりはせず、「よくわからないので、わかるように説明して欲しい」という態度を崩さないことです。専門用語を乱発されても、「何を言っているのか、わかりません」と言い張り、しつこく説明を求めれば、相手のほうが根負けするはずです。 財界人や著名人をダシにしてきたら、「その人、誰ですか? 私はよく知らないので」と、逆の「知らないフリ作戦」が効果的。相手は「権威」を武器にできなくなります。 「君は知らないみたいだけど、すごく有名でえらい人なんだよ」と言ってきたら、「私にはどんなに偉い人だか、さっぱりわかりません」と切り返せばいいのです。
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