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■相手を揺さぶって有利に運ぶ「コンコルド効果」最終段階でドタキャンを匂わせると、強気で進められるため、費やした時間が長いほど、コンコルド効果の威力が増します。 ★ 積み重ねてきた努力をムダにしたくなくて判断を誤る 2003年に姿を消した超音速旅客機「コンコルド」は、たとえ完成して就航しても、赤字がかさみ、収益が出ないことは開発段階から明らかでした。それでも、英仏両国が巨額な開発費を投じていたため、計画を中止することができず、赤字になるとわかっていた上で就航していたのです。結果、飛ばすほどにコストばかりが重なり、結局は運航中止に追い込まれてしまいました。 そんな逸話から、心理学にも「コンコルド効果」という用語があります。積み重ねてきた努力やコストが大きいと、それまでの労力をムダにしたくないという執着心が生まれ、損得の判断を見誤ってしまう心理を指します。 たとえば、以下の自動車のセールスマンAと客Bの会話。 B「本当に申し訳ない。今回の新車の契約はできなくなった。息子が公立高校の受験に失敗して私立に行かせるので、家計が火の車なんだよ・・・」 A「えっ。しかし、今キャンセルというのはあまりにも・・・・」 B「こういう事情だから、何とか納得してよ。まあ、値引率をアップしてくれるんなら考えてもいいけど」 A「いや、わかりました。5パーセント引きます。それで何とか契約を!」 契約寸前でドタキャンされそうになり、思わず値引きしてしまったという訳です。 コンコルド効果は、それまで費やした時間が長いほど効果的なので、試してみましょう。
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