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■ソクラテスが使った「対話式説得法」★ 質問を繰り返して都合のいいほうに誘導 古代ギリシャの哲学者であるソクラテスは、対話による独特の説得テクニックを使い、相手を論破していました。カレは質問を繰り返しながら、巧妙に自分の意図する結論に相手を追い込んだのです。この「対話式説得法」による質問は、自分の都合のいいほうに答えを誘導できるように設定するのが特徴です。 興味ある人は、専門書を読むことをオススメしますが、ここではソクラテスの技法をわかりやすく説明しましょう。ファッションショップの店員が使うセールスのテクニックを例にします。ジャケットを手にしている客に、こう声をかけます。 ★ ショップ店員の巧みなセールストークに学ぶ 店員 「今日は、ジャケットをお探しですか?」 客 「うん、まあね・・・」(手に取っているので認めざるを得ない) 店員 「そのネイビーは新色なんですよ。黒もあるのですが、お客様はどちらがお好みですか?」 客 「う〜ん、黒よりはネイビーかな」 店員 「そうですね。今はネイビーのほうが人気なんですよ。どうぞ試着してみてください」客(袖を通す) 店員 「よくお似合いです。ただ、こちらは定番モデルで、同じラインでリーズナブルな新作も出ているんですが、そちらのほうがよろしいですか?」 客 「そうだね、安いほうがいいかな」(新作に袖を通す) 店員 「やはり、こちらのほうがお得ですからね。ところで、今はキャンペーン中で現金払いの方には特典があるんですよ。それともカード払いになさいますか?」 客 「・・・・いや、今回はカード払いするよ」 この店員のセールストークが巧みなのは、「黒かネイビーか」「定番モデルか新作か」「現金払いかカード払いか」という二者択一の質問を繰り返していることです。客にすれば、「買うか買わないか」という最大のポイントが抜けている点に注目してください。 ★ 相手が回答をせざるを得ないような質問を繰り返す このスタイルこそ、ソクラテスが使った対話式説得法と同様のテクニックなのです。相手がこちらの思惑通りに回答せざるを得ないような質問を繰り返すことにより、自分の望む方向に相手を徐々に誘導していくのです。 高度なテクニックだはありますが、訓練すればうまく使えるようになります。二択形式が難しいなら、次のような方法もあります。まず相手の過去の発言を持ち出して「あなたは、以前××になったら、○○すると言いましたね」→「そうだ」→「現在の状況は××だと思うんですよ。違いますか?」→「いや、その通りだ」→「では、今こそ○○すべきでしょう。それとも発言を撤回されますか?」→「いや、○○しよう」。 このような三段論法的な流れでも、相手を誘導できます。このテクニックは法廷でよく使われ、裁判を傍聴すると検事が被告人を追い込む時などに見られるはずです。裁判から学ぶのもオススメです。
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