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■雑音が気になるならエアコンをつけている間は気にならなかったのに、エアコンを切ったとたん、時計の秒針の音や冷蔵庫のモーター音が気になって眠れなくなったという経験はありませんか。 ★それには「マスキング効果」というものが働いています。ある音が別の音によって妨害されて、聞き取りにくくなる減少を「マスキング」と呼びます。 エアコンをつけている間は「マスキング効果」が働いて、時計の音などが聞き取りにくくなったと考えられます。それが、エアコンを消したために効果が消え、とたんに時計の音が聞こえ出して、気になって眠れなくなったしまったというわけです。 一般的に、高い音のほうが低い音よりもマスキングされやすいという特徴があります。エアコンの事例もそうです。 また、時間的に後から鳴った音が先に音をマスキングしてしまうという傾向もあります。 実は、このマスキング、さまざまな場所で活用されています。 たとえば、高層ビルのエレベーターで、BGMが流れているのも、このマスキング効果を利用したものです。 高層ビルのエレベーター速度が速く、風切り音が非常に大きいので、それをBGMによって聞こえにくくしているのです。 女性用の公衆トイレによく設置されているトイレ用擬音装置も、人工的に流水音を発生させることで、あれやこれやの音などをマスキングするためのものです。女性はこれがないと音消しのために何度も水を流す人が多いので、節水効果もあるようです。 レストランのBGMも、他のお客の話し声や、厨房での作業音をマスキングするためのものであります。BGMは決して、お店の雰囲気作りのためだけではないということです。
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