|
■錯覚を作り出すのは、こんなに簡単同じ重さのものでも、イメージによって軽い・重いという判断が変わってしまう心理現象を「シャルパンティエ効果」といいます。 たとえば、「100kg」と「綿100kg」では、冷静に考えれば重さは同じなのに、どうしても鉄100kgのほうが重いと錯覚してしまいがちです。 そうした錯覚は、実際に体験しても感じることがあります。 5kgのダンベルと5kgの羽毛布団を持ち上げてみたら、やはり5kgのダンベルのほうが断然重く感じるはずです。 ★このようなイメージによる錯覚、「シャルパンティエ効果」は、ビジネスの世界では当たり前のように活用されていることをご存知でしょうか。 たとえば、コンビニなどで見かけるビタミンC入りの清涼飲料水。 「ビタミンCを200g配合」と表記しても、消費者にはそれがどれほどのものかは伝わりません。 ですが、レモン1個に含まれるビタミンCは約20mgなので、「レモン10個分のビタミンCが入っています!」という表現をしたらどうでしょう。イメージがすぐに伝わって、体に良さそうな気がします。 同じように、「オルニチン25mg入りの味噌汁」より「しじみ70個分の味噌汁」といったほうが、二日酔いに効きそうな気がするし、「4.7ヘクタールの土地」というより、「東京ドーム1個分の土地」といったほうがイメージしやすいでしょう。 ★このように「シャルパンティエ効果」には、提供される側のイメージを膨らませ、なんとなくわかった気にさせてしまう効果があるのです。 「これ1杯で1日分の野菜がとれます」 「この電子辞書1台で辞書50冊分の情報が入っています」 「この物置なら100人乗っても大丈夫」 こうしたキャッチコピーも、すべてこの効果を活用したものだということです。 この効果は、愛する人にプロポーズするときにも活用されています。 「僕の愛を受け取ってくれる?」 そう言って差し出すエンゲージリングが、まさにそれです。 愛は形がないので、なかなかイメージできませんが、それが形になったエンゲージリングなら見てすぐに相手に伝わるでしょう。 それだけに、ダイヤモンドのカラット数で、その愛の大きさも判断されてしまうので、男性としてはつらいところですが・・・。 |
|
||
Copyright(c)2015 大人のための心理学 all rights reserved. |