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■愛は幻のようなものこんな実験が行われたそうです。 被験者に2枚の写真を見せ、「魅力的だな」「好みだな」と思うほうを選んでもらうというものです。ただし、ちょっとした仕掛けが施されています。写真を見せる人は、実はマジシャンなのです。 たとえば、ある被験者が右側の女性の写真を選んだとします。するとマジシャンはその写真を渡すフリをしながら、自慢の早業ですり替えて左側の写真を渡してしまうのです。 つまり、被験者には、好みでないほうの女性の写真が手元にやってくるということです。 さて、被験者はどんな反応を示したでしょう。 驚くことに、違ったほうを渡されたことにほとんどの人が気づかないのです。 しかも、渡された写真を見た被験者に、「なぜ、この女性を選んだのですか?」と質問すると、写真が入れ替わっているとは思いもしない被験者は、「笑顔がステキだから」とか、「イヤリングが似合っているから」とか、「金髪が好きだから」などと、自信たっぷりに語りました。 自分が本当に選んだほうの女性は、笑ってもいないし、イヤリングだってしていないし、金髪でもなかったというのです。 ★まさか写真が入れ替わっているとは思いませんから、自分で選んだということは、好きなところがあったに違いないと思ってしまうのです。 そして、後付けでその理由をこじつけてしまう。しかも、こじつけていることに本人はまるで気づいていない。本心からそう信じて、好きな理由をでっち上げてしまうのです。 人間の脳は適当にできていて、そんなことを平気でしてしまうところがあるようです。そうした心理を「変化盲」と呼ばれるそうです。 みなさまの中には今、まさに大恋愛中の人もいることでしょう。そういう人の目にはもう相手しか映っていないかもしれません。そんな大恋愛に水をさすようで恐縮ですが、その愛はホンモノでしょうか。 よもや後づけで、こじつけた愛ではないでしょうね。 |
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