|
■玉の輿に乗った結婚ほど、離婚のリスクは高まる人と人が関係を持つときには、「報酬」と「コスト」の釣り合いが求められます。報酬とは、付き合うことによって得られるメリットです。そして、コストとは、付き合うことによって失う時間や金のことです。 女性がお金持ちの男性と結婚し、それまでは考えられなかったほどのハイレベルな生活や大金を得ることを玉の輿といいますが、最近は、男性が金持ちの女性と結婚する「逆玉」も多いそうです。 「羨ましい」としか言いようがなく、さぞかし幸せな生活を送っているのだろうと思いがちですが、心理学的に見ると、玉の輿や逆玉にもそれなりの苦労がついて回るとわかっています。 アメリカの社会心理学者エレイン・ハットフィールドらが600人以上のカップルを対象にした調査によりますと、「本来、手に入るべき以上のものを手に入れた」と感じている人は、「窮屈」や「やましさ」という感情も同時に抱いているとわかりました。 ★つまり、玉の輿や逆玉で素晴らしい生活をしていても、心から楽しめない人が多いのです。 この気持ちは、「このチャンスを逃がしたら、玉の輿に乗れるチャンスは二度と訪れない」と考えて現在の地位を獲得したものの、同時に「実は私は相手にとって不相応な人間で、与えられるものはほとんど何もない」と考えることによって生まれています。 現代社会では、「家柄や格式が違うから結婚できない」というケースはほとんどありませんが、恋愛には損得のバランス感覚が必要なのは事実です。 ★男女間であまりにも損得が偏っていると、知らぬ間に気持ちのズレや卑屈さが膨らんでしまい、破局を迎えてしまうことになります。 とはいうものの、なかには玉の輿でもうまくいっているカップルもいます。それは「社会的交換理論」によって説明できます。 愛情、サービス、物品、金、情報、地位の6つが交換可能だとする理論です。 たとえば、成金の男性からお金や物品を与えられた女性が落ちぶれた旧華族出身だった場合、男性は社会的地位を得ることになりますから、お互いに満足してうまくいくということです。 また、愛情がお金の対価になっているケースも珍しくありませんが、いずれにしても与えるものが少ないほうが苦労することは目に見えています。 |
|
|||
Copyright(c)2015 大人のための心理学 all rights reserved. |