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■彼女の過去を根掘り葉掘り聞きたがる「カリギュラ効果」オスカー・ワイルドは「男は常に女の初恋の男になろうとし、女は男の最後の恋人になりたがる」という言葉を残しています。これは、現代の男女にもそのまま当てはまる名言といえるでしょう。 「男性と女性、どちらが嫉妬深いか?」 難しい問いですが、過去に起きたことに限定すれば、男性のほうが嫉妬深いのではないでしょうか。というのも、男性は一般的に女性の過去を聞きたがりますが、女性はあまり話したがらないことが多いからです。 これは「過ぎてしまったことよりも、現在のほうが大切」と考える傾向が女性にあるためでしょう。それに対し、男性は、「過去に付き合った男よりも自分のほうが優れている」ことを確認し、安心したいと考えています。 ★このように、男女がまったく正反対の考え方をするのは、種の保存本能に由来すると考えられています。 男性は複数の女性に精子を提供できますが、女性が受胎できるのは一人の精子だけです。つまり、DNA検査でもしないかぎり、男性には受胎したのが自分の子なのかどうかわかりません。 これは自分の遺伝子を残すことが最大の使命である生物にとっては大問題です。そこで男性は、「過去にどんな男と付き合ったのか(性交したのか)」と聞きたがるというわけです。 ほとんどの女性は「ノーコメント」「そんなこと、どうでもいいじゃない」などとはぐらかすでしょうが、男性の猜疑心は深まるばかりです。 なぜなら、人には「してはいけない」と禁止されたことを、どうしてもしたくなってしまう心理があるからです。これを「カリギュラ効果」と呼んでいます。 「鶴の恩返し」という昔話では、「私が機を織っているところを絶対に見ないでください」と妻に言われた男が好奇心に勝てず、ついに部屋を覗いてしまいました。その結果、取り返しのつかないことが起きてしまったのですが、もし妻が「絶対に見ないでください」と言わなければ、違う結末を迎えられたかもしれません。 現実世界では、このような不幸を起こさないためには、男性が「聞かなくてもいいことは放っておく」「知らないことがあっても当然」という考え方をするしかありません。必ずしもすべてをさらけ出すことが愛情とはいえないのです。 |
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