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■いつも頭の回転の速い人の秘密定年退職後の男性を揶揄する言葉に「濡れ落ち葉」というのがあります。 趣味らしい趣味も持たない定年後の夫が、暇をもてあまして、何をするにも妻の後をくっついてくる様子を、払っても払ってもひっついて離れない濡れた落ち葉にたとえたものです。 そんな夫と向き合って暮らすことにストレスや苦痛を感じる女性は多いものです。夫は夫で「毎日が日曜日」をどう過ごしたらいいか、途方にくれるばかりです。これでは、夫婦仲が悪くなるだけではなく、老化も一気に進んでしまいそうです。 考えてみると、これからますます高齢化社会になっていくのですから、まだまだ若い60代で「濡れ落ち葉」になってしまうのは非常にもったいない話です。 こんな研究が発表されています。 ★アメリカのテキサス大学とアラバマ大学の合同研究チームが発表した研究によると、老年期にあっても忙しい生活を送っている人たちは、脳の優れた認知機能を保っているという結果が得らたれたということです。 研究のために集められた被験者は50歳から89歳までの男女330人です。その人たちの「情報処理速度」「ワーキングメモリー」「エピソード記憶」「推論能力」「記憶の強化」の5つについて調べたところ、年齢や教育程度に関係なく、忙しいライフスタイルを送っている人のほうが、すべての点で優れていることが判明したというのです。 特に、さまざまに関連した記憶を蘇らせるエピソード記憶については、抜群の成績を残したといいます。 ただ、同じ忙しい生活でも、その状態を強制されている人では、まったく逆の成績を残したということです。 ★つまり、適度に忙しい生活の中で、自ら進んで新しいことを覚えたり学んだりする機会を多く作ることが、結果的に脳に対するよい刺激になるということです。 加齢に伴う老化を「エイジング」といいますが、それを食い止め、人生の活躍期間を延ばすためにも、老後だって進んで忙しく、生き生きとしていたいものです。 |
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