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■人は自分のない能力を羨んで惹かれあう「あそこは似たもの夫婦だからうまくいっているだよ」などと言いますが、まったく似たところなどないのにうまくやっている夫婦もいます。 なぜなら、男女はお互いに持っていないものに惹かれ合う傾向が強いからです。 「○○愛好会」や「△△ファンクラブ」というのが世の中にたくさん存在するのは、同じ趣味や興味を持つ人たちが相性がよい証拠といえるでしょう。似たもの同士が親しくなりやすいのは、「類似性の要因」と呼ばれています。 友人のことを思い浮かべてください。 その人とあなたの間には、どこか似ているころがあるはずです。たとえば同じスポーツが好きだったり、出身地が近い、同じ悩みを抱えているなどです。これは、自分と似た人を身近に置くことで、「自分は正しいのだ」という安心感を得ようとする心の働きといえます。 「類は友を呼ぶ」という通り、人は自分と似た存在を見つけることによって、安心したがっているのです。 しかし、このような人に対しては、なぜか「羨ましい」という感情はあまり抱かないでしょう。羨ましいと思うのは、どちらかといえば自分とは正反対の性格や境遇の人のことではないでしょうか。 たとえば、内向的な性格の人は社交的な人のことを羨ましい、できればあんなふうになりたいと思っているでしょうし、ルーズな人は几帳面な人を見ると、「あやかりたい」と考えるものです。 ★自分が持っていない長所を備えた人のことを羨ましいと思うのは「相補性の要因」という心理によるものです。 「自分の持っていないものを相手から得られれば、自分にとってプラスになる」とわかっているために生まれる心の動きです。事実、内向的な人と外交的な人がコンビを組むと、内向的な人だけでは作れない広い人間関係を築くことができたり、外交的な人が内向的な人の新たな可能性を引き出してくれるということがよく見られます。 また、これとは逆に、物事を軽く見がちでイージーミスを犯しやすい外交的な人の手綱を内向的な人がうまく引き締めてくれることによって、仕事の質が向上するというメリットも見られます。 ★人間というのは、知らぬ間に自分に欠けている部分を探しているということでしょう。 |
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