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■団体行動に潜んでいる危険な人間心理★大規模マンションや団地でセールをする場合、一軒に売りつけることができれば、あとは芋づる式に契約が取れるそうです。他の人と同じように振る舞わなければ安心できないという人間心理があるためです。 昔から、「日本人は団体行動が得意」といわれてきました。そういえば、日本人が好きなスポーツも大人数でやる野球やサッカーですし、海外旅行は団体ツァーが人気、そして、会議では満場一致が好まれます。 スポーツや旅行はそれでいいでしょうが、会議まで団体行動をとるようになると、会社は危険な方向に進みかねません。 なぜなら、あるグループに所属していると、無意識のうちにグループ内のルールに従うようになり、他のメンバーと同じように振る舞おうとするためです。 ★こんな心理傾向を「同調」といい、これによって生じる行動を「同調行動」と呼んでいます。 同調がいかに危険なのかは、アメリカの心理学者ソロモン・アッシュが行った次の実験でもわかります。 まず、紙に複数の長さの直線を書きます。そして被験者に、同じ長さの直線を選んでもらいます。それぞれの直線の長さは極端に違っていますから、一人で回答した場合の正解率は90パーセントになったそうです。 そこで、今度は6人のサクラを交えた環境で答えてもらいます。サクラたちが誤った長さの直線を選んだところ、被験者の正解率もわずか24パーセントになったということです。 会議のように顔見知りの人たちが集まった場合には、彼らに気を遣うという心理が加わり、同調の傾向はますます強化されていきます。 日本では、会議が始まる前に根回しが行われているケースが多いようです。こうしてあらかじめ多数派工作があると、たとえその結論が間違ったものだとわかっていても、同調行動が働いて「ノー」というのはかなり難しくなるでしょう。 ★また、普段から威張りたがる人は自己評価が低く、自分に自信がないため、同調して左右されやすい性質を持っていることが多いようです。 つまり、いつも威張っている人ほど、会議になると借りてきた猫のように大人しくなってしまい、ことなかれ主義を貫くものです。 |
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