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■人には言われたことと逆をしてしまう心理が潜む「○○君、例の件、どうなっているの?」 「今、鋭意進行中です」 「進行中? そんな悠長なこと言ってないで、早く仕上げろよ!」 職場でよく聞くやり取りです。おそらく期限が迫っており、上司も焦っているのでしょう。「早く仕上げろ!」と言いたくなる気持ちもよくわかります。しかし、心理学的にみると、この上司の対応はあまり好ましいものではありません。 なぜなら、人は「自分の行動は自分で決めたい」と思っており、この自由が奪われたりすると、その自由を取り戻そうとして抵抗するためです。 ★つまり、このケースのように「早く仕上げろ!」と強要されると、それとは逆にますますゆっくりやりがちなのです。こうした天の邪鬼の心の動きのことをアメリカの心理学者ブレームは「心理的リアクタンス」と名づけました。 心理的リアクタンスの存在を証明するため、次のような実験が行われたようです。 まず、「あたたの音楽の好みを調べさせてください」という名目で4種類の曲を聞かせ、それぞれの好感度を評価してもらいました。その後「明日、もう一度実験に協力してもいます。そして、終了後にこれらの曲が入っているCDのうち好きなものを一枚プレゼントします」と伝えました。 翌日、実験開始前に「実は、4種類のCDのうち3種類しか届きませんでしたので、このなかから好きなものを選んでください」と告げ、もう一度同じ曲を聴いてもらったところ、CDがないと言われた曲だけが前日よりも好感度が急上昇することがわかったそうです。 つまり、手に入らないからますますほしくなったということです。 ★これは恋愛にも当てはまることで、親からの妨害が強いカップルほど、激しく熱愛することがわかっています。これは心理的リアクタンスのなかでもとくに「ロミオとジュリエット効果」といわれているものです。 |
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