|
■親友に先を越されると、惨めに感じるのはなぜ後輩がオリンピックやワールドカップに出場するとうれしくて自慢します。ですが、親しい友人や同僚が自分より先に出世するのは微妙な気分になるものです。心外かもしれませんが、友情というのは意外と脆いもののようです。 「同期なんだが、なぜか彼にはライバル意識を感じない。彼とはいつまでも親友でいたい」という人がいます。では、そう思っていた人が、社運を賭けた大プロジェクトのリーダーに大抜擢されたら、どういう気持ちになるでしょうか。 「大抜擢をされようがされまいが、彼とは親友のまま」と口では言うかもしれませんが、素直に喜べないのが本心ではないでしょうか。 もちろん、うれしい気持ちはあるでしょう。しかし、それと同時に悔しい気持ちや嫉妬心も感じるはずです。なぜなら、親友が大抜擢されたことにより自分が劣っていることを認めざるを得なくなるからです。 ★これは自尊心が傷つけられた状態です。 しかも、それを親友の前で出すわけにはいきませんから、ますます自分に嫌悪感を抱くようになり、やがて親友を憎むようになってしまいます。 なかには、それまでの態度を豹変させ、「アイツは部長に取り入ったんだ」などという根も葉もない噂話を流して足を引っ張ろうとする人もいます。 「友人とぶどう酒は古いほど良し」という名言がありますが、実際には友情よりは自尊心を保つことが優先されるのです。 フランスの小説家ジュール・ルナールは「友人は服のようなものだ。擦り切れないうちに捨てねばならぬ。さもないと、向こうがこちらを捨てる」という辛辣な言葉を残していますが、どうやらこちらが真実のようです。 ちなみに、一般的に嫉妬心が強い人にはこんな傾向が見られます。 @ 対抗意識が強い 「親友とはいえ、同じ会社にいればライバル」と考えています。お金や名誉欲にも強いこだわりがあります。 A 自尊心が低い 他の人よりも被害者意識が強いため、ちょっとしたことでも自尊心が傷つけられたと感じ、嫉妬心を抱きます。 B なんでも「他人のせい」と考える このタイプは、「自分が出世できなかったのし、アイツのせいだ」と考え、嫉妬に走ります。 嫉妬というと女性をイメージしがちですが、男性の嫉妬は珍しくありません。とくに、仕事や勉強に関する嫉妬は男性の専売特許といってもいいほどです。これは、男性が人生において仕事を重要視しているからです。 まるで嫉妬しないという人はいないでしょうし、嫉妬は必ずとも悪いことではありません。 「なにくそ!」という気持ちに切り替えれば、モチベーションになるからです。 |
|
|||
Copyright(c)2015 大人のための心理学 all rights reserved. |